ワクチンに入っている病気は普段なかなか目にすることは少ないものばかりです。しかし、一度かかると命取りになる病気が殆どです。代表的なものとして、犬のパルボウイルスの死亡率が50〜90%、猫が75〜90%というデータがありますが、これを見るとワクチンに入っている病気の恐ろしさがよくわかります。また、ウイルスは変異するため数年から数十年に一度大流行することがあります。その時、免疫がなければ死亡する確率が増えることになります。大切な愛犬、愛猫をワクチンで守ってあげてください。これは、飼い主様にしかできないことです。
基本的に他の飼い主様のペットちゃんと間接的にでも関わる施設では、ワクチン証明書の提出を求められる事がほとんどです。ワクチン接種をしなければ、ほかのペットちゃんや飼い主様にも迷惑をかけることになります。ワクチン接種は飼い主様同士のマナーでもあります。年に1回かならず接種しましょう。
もともとワクチンというものは、感染症のウイルスの毒素を弱めた「抗原」のことです。ワクチン(抗原)を犬や猫の体内に注射すると、この「抗原」に対抗する「抗体」が体内で新たにつくられます。
毒素を弱めているので、「抗体」が勝り、「抗原」を退治できるので、新たにつくられた「抗体」だけが体内に残るのです。この現象を目的としてワクチン接種を行いますが、これには副作用が起こる場合があります。副作用が原因で病原体の症状が出たり、アレルギー・自己免疫疾患などの病気になったりすることがあります。命に関わるような全身性ショックは数千~1万件に1件ぐらいといわれているそうです。
そもそもなぜワクチンを打たなければいけないのでしょうか?
人の赤ちゃんが母乳を飲むことによっていろんな病気から守られる
(免疫ができる)のと同じように、子犬も母乳を飲んで母犬から抗体をもらいます。しかしこの移行抗体は42日~150日で消失してしまいます。
そこでワクチンを打つのですが…困ったことに…。
いつ抗体が切れるかがその子によって違うため特定できないんです。それがなぜ困ったことかと言いますと…。それは、この移行抗体が残っている時にいくらワクチンを打っても、 移行抗体がワクチン(抗原)をはねかえしてしまうので、犬の体内で抗体が作られないからです。
つまり移行抗体が残っていれば結果はワクチンを打たなかったのと同じこと。第1回目は生後45日~60日頃に打ちます。最も早く抗体が切れていることを想定して打つからです。移行抗体が切れてるのが分かっていれば切れた時に1回打てばいい訳です。しかしそれが分からないために、第2回目を生後90日に打つのです。
○ペットショップやブリーダーなどで、最初のワクチンが2種ワクチンなど少ないワクチンを
早い時期に投与された方や、よりしっかりワクチンを受けたい方には、さらに3回目のワクチンをお勧めします。
当院推奨 9種ワクチン |
アスファルトの上しか歩かない 都会派なワンちゃんに 6種ワクチン |
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犬のジステンパー、犬伝染性肝炎、犬アデノウイルス(2型)感染症、犬パラインフルエンザ、犬パルボウイルス感染症、犬コロナウイルス感染症、犬レプトスピラ病の予防 | 犬のジステンパー、犬伝染性肝炎、犬アデノウイルス(2型)感染症、犬パラインフルエンザ、犬パルボウイルス感染症、犬コロナウイルス感染症の予防 |
9,000円(税抜) | 8,000円(税抜) |
子犬を飼い始めたら生後45日から接種が可能です。早く打ってあげると、早く散歩に行けるようになります。(接種前の散歩は絶対にお控えください)
現在、猫の感染症に関しては6種類のワクチンが開発されており、その組み合わせにより3・4・5・7種の混合ワクチンがあります。接種時に何種類のワクチンを選ぶかという点に関しては獣医師と相談の上で決めます。
混合ワクチンの内「3種混合ワクチン」は特にコアワクチン(核となるワクチン)と呼ばれ、ぜひとも接種することが望まれる重要なワクチンです。外に出かける猫には猫白血病のワクチンが必要です。猫白血病は治療法がなく、また、死亡率がとても高い病気で、この病気にかかると短命になってしまうからです。
そして、[うちの猫は外に出ないからワクチンは必要ない]という方も、実は3種ワクチンの中に入っている”猫風邪”と猫汎白血球減少症ウイルス(パルボウイルス)は、人間の服や靴の裏について室内にウイルスを持ち込むことがあり、全く外に出たことない猫が、汎白血球減少症にかかった症例が報告されています。
外にあそびにいく 活動的な猫ちゃんに 5種ワクチン |
おうちでゆったり過ごす インドアな猫ちゃんに 3種ワクチン | 【オプション】 猫エイズウイルスの予防に FIVワクチン |
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猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症及びクラミドフィラ・フェリス 感染症の予防、ならびに猫白血病ウイルスによる持続性ウイルス血症の予防 | 猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症及び猫汎白血球減少症の予防 | 猫エイズウイルスの予防(このワクチンに関しては事前予約が必要です)猫エイズのワクチンは初年度3回摂取が必要で、翌年から1年1回の摂取となります。 |
9,000円(税抜) | 5,000円(税抜) |
猫のエイズや白血病は残念ながら一度かかると治りません。白血病は運がよければ一度かかっても陰転化(ウイルスが居なくなること)することもありますが、それでも骨髄のDNAに傷がつき、将来的にリンパ腫や免疫介在性溶血性貧血といった死亡率の高い病気を発症することが多いです。エイズ、白血病はとにかくかからないように予防が一番です。
知らない方も多いのですが、猫にもワクチンは存在し、しかもその重要性は大きいです。去勢・避妊手術と一緒にワクチンも考えてあげてください。
外に出る猫や元々野良猫だった子は、猫エイズウイルス【猫免疫不全ウイルス】(FIV)と猫白血病(FeLV)の検査を行った後にワクチン接種する事をお勧めします。
猫エイズウイルス【猫免疫不全ウイルス】(FIV)と猫白血病(FeLV) 検査 4,000円(税抜)